医療の世代格差とコンビニ受診
Data:2017-06-27 14:27:49
日本は少子高齢化が進み、それに伴ってどんどん医療費が上がっていきます。高齢者になるほど医療にかかる機会が増え、そしてその負担は若者に重くのしかかります。日本の医療はそれでも世界から見ればかなり安く、気軽に医療機関に受診できる環境にあるのですが、その安さや気軽さを享受できないほどに今の若者は追い込まれているという見方もできます。
医療費の窓口負担が少ない高齢者が、気安く病院に着ては病院の待合室を仲間内のサロンのように利用していたり、必要がないのに希望する量の薬をもらえるまでセカンドオピニオンを繰り返したり、といったことも珍しくはないのです。生活保護者が必要以上に受診するなど、医療費負担の少ない世代の一定層が医療費を無駄遣いし、病院の待ち時間を長くしてしまう問題もあります。
また、長すぎる待ち時間や仕事への影響を嫌い、本来緊急性の高い患者を受け入れるための救急外来にやってくる「コンビニ受診」をする軽症患者も問題となっています。こういった患者はそもそも医療機関での治療の必要すらない患者であることも多く、医療行為を断ることでモンスターペイシェント化することもあり、医療機関の負担になっています。
日本は整った医療体制に対し、医師が少なく、そして必要のない無意味な受診が多いことが、医師・患者双方の問題を増長しています。たとえ医療費の助成が受けられる立場でも、本当に受診が必要な状況かどうかなど、患者側でも改めて意識を改革する必要がありそうです。